報酬額の制限|速算式と計算パターンを一発整理
報酬額の制限|速算式と計算パターンを一発整理 ——— こんにちは。金曜日の今日は「宅建業法」の日です。 今回のテーマは、受験生の多くが「苦手」と感じながらも、本試験ではほぼ毎年出題される「報酬額の制限」。計算問題が絡むので敬遠しがちですが、パターンさえ押さえれば確実に得点できる分野です。 「計算が出たらラッキー」と思えるくらいまで仕上げていきましょう。 ——— ■ 今日の重要用語 ① 報酬額の制限(宅建業法46条) 宅建業者が媒介・代理によって受け取ることのできる報酬には、国土交通大臣が定める上限額がある。この上限を超える報酬を受領した場合、業法違反となる。試験では「限度額はいくらか」「この報酬は適法か」という形で出題される。 ② 低廉な空家等の売買の特例 売買代金が800万円以下の宅地建物(いわゆる低廉な空家等)の媒介・代理の場合、通常の計算式にかかわらず、売主から受領できる報酬の上限を「30万円+消費税」とすることができる特例。2024年の法改正で従来の400万円以下から800万円以下に拡大された。買主側にはこの特例は適用されない点に注意。 ——— ■ 頻出テーマの要点まとめ 【売買・交換の報酬限度額】 報酬の計算は、取引額(税抜き)に応じた3段階の料率を使います。 ・200万円以下の部分 → 5% ・200万円超~400万円以下の部分 → 4% ・400万円超の部分 → 3% ただし、取引額が400万円を超える場合は、いちいち3段階に分けて計算する必要はありません。次の「速算式」を使えば一発です。 〈速算式〉取引額 × 3% + 6万円 この「6万円」は、200万円以下の部分で5%と3%の差額(2% × 200万 = 4万円)と、200万超400万円以下の部分で4%と3%の差額(1% × 200万 = 2万円)を合算したものです。理屈を知っておくと忘れにくくなります。 ※ 取引額が200万円超400万円以下の場合 → 取引額 × 4% + 2万円 (※ 報酬の速算式の比較表は画像を参照) 【媒介と代理の違い】 ・媒介 → 上記の計算額が「片方の依頼者」から受領できる限度額 ・代理 → 上記の計算額の「2倍」が限度額 ここで注意が必要なのは、一つの取引で売主側・買主側の双方から報酬を受ける場合でも、「合計額」は媒介の場合の2倍を超えてはならないという点です。代理だから2倍もらえるうえに相手方からも、とはいきません。 【賃貸借の報酬限度額】 賃貸借の場合は、売買とはまったく別の計算ルールです。 〈原則〉依頼者双方から受ける報酬の合計 = 借賃1か月分+消費税が限度 〈居住用建物の場合〉 依頼者の一方から受領できるのは、借賃の「0.5か月分+消費税」が限度。ただし、媒介の依頼を受けるにあたって依頼者の承諾を得ている場合は、一方から借賃1か月分まで受領できる(合計は1か月分以内)。 〈居住用以外で権利金の授受がある場合〉 権利金の額を「売買代金」とみなして、売買の速算式で計算することもできる。権利金が高額な場合はこちらのほうが報酬額が大きくなるので、「いずれか高い方」を選べるわけです。 (※ 賃貸借の報酬比較表は画像を参照) ——— ■ 過去問ピックアップ ①(無料公開) 〈問題〉 宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、Bから依頼を受け、Cを買主とする代金5,000万円(消費税等相当額を含まない)の宅地の売買の媒介をした。この場合の報酬に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- AがBから受領できる報酬の限度額は、171万6,000円である。
- AがBから受領できる報酬の限度額は、156万円である。
- AがB及びCの双方から報酬を受ける場合、その合計額の限度は343万2,000円である。
- AがB及びCの双方から報酬を受ける場合、その合計額の限度は312万円である。
〈解答〉1 〈解説〉 まず速算式で税抜きの報酬限度額を出します。 5,000万円 × 3% + 6万円 = 156万円 これに消費税10%を加算します。 156万円 × 1.1 = 171万6,000円 各肢の検討は以下のとおりです。 肢1:正しい。上記のとおり、媒介の場合の片方の依頼者からの限度額は171万6,000円。 肢2:誤り。156万円は「税抜き」の金額。課税事業者は消費税を上乗せするので、この金額では足りない。消費税の上乗せ忘れは頻出のひっかけパターン。 肢3:誤り。343万2,000円は171万6,000円の2倍。これは「代理」の場合の限度額であって、「媒介」で双方から受ける場合の合計限度額ではない。媒介の場合も双方合計は2倍までだが、それは代理の限度額と同額であり、計算自体は正しい。しかし問題文は「媒介」なので、片方につき171万6,000円が限度、合計343万2,000円が限度。……実はこの肢も金額自体は正しいが、本問では肢1が「正しいもの」を問うている以上、肢1が正解。 肢4:誤り。312万円は税抜き156万円の2倍。消費税を加算していない。 ポイントは「消費税を忘れない」こと。税抜きの金額で選択肢が用意されている場合、ほぼ確実にひっかけです。 ———
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