農地法3条・4条・5条を一気に整理する|頻出の「許可と届出」を得点源に
農地法3条・4条・5条を一気に整理する|頻出の「許可と届出」を得点源に
こんにちは。試験まで残り81日になりました。 今日は「法令上の制限」から、毎年ほぼ確実に1問出題される「農地法」を取り上げます。 農地法は、3条・4条・5条の区別さえ頭に入れば、得点源にしやすい分野です。逆に言えば、ここを曖昧にしたまま本番に臨むと、確実に1点を落とします。今日の記事で、条文ごとの違いをしっかり整理していきましょう。
今日の重要用語
「農地」 耕作の目的に供される土地のこと。登記簿上の地目ではなく、「現況」で判断する。たとえ登記簿上は「山林」でも、実際に耕作されていれば農地として扱われる。試験では「登記簿の地目を基準とする」というひっかけ選択肢が繰り返し出題されているので、「現況主義」という考え方を押さえておくこと。 「採草放牧地」 農地以外の土地で、主として耕作または養畜の事業のための採草や家畜の放牧に使われる土地。農地法の3条と5条では採草放牧地も規制対象になるが、4条(転用)では対象外になる。この違いは意外と見落としやすいので注意が必要。
頻出テーマの要点まとめ ── 3条・4条・5条の違い
農地法の問題を解くカギは、「誰が」「何をするのか」で条文を振り分けることにある。 まず大きな枠組みを整理しておこう。 〈3条〉権利移動 農地を農地のまま、売買や賃貸借などで他人に権利を移す場合。農業委員会の許可が必要。 〈4条〉転用 自分の農地を、自分で宅地や駐車場などに変える場合。都道府県知事(4haを超える場合は農林水産大臣)の許可が必要。 〈5条〉転用目的の権利移動 他人の農地を取得して、農地以外のものに転用する場合。いわば3条と4条の合わせ技で、都道府県知事(4ha超は大臣)の許可が必要。 この3つを並べた比較表を画像にまとめたので、ぜひスクリーンショットで保存してほしい。 (※ 比較表の画像を挿入 ── nouchi_table_20260729.png)
試験で狙われるポイント3選
ここからは、過去問で繰り返し問われている急所を3つに絞って解説する。 〈ポイント1〉市街化区域の特例 市街化区域は「市街化を促進する区域」なので、農地を宅地に変えることは政策上むしろ歓迎される。そのため、転用を伴う4条と5条については、都道府県知事の許可ではなく「農業委員会への届出」だけで足りる。 ただし、3条(農地のまま権利を移す場合)にはこの特例がない。市街化区域であっても、3条の許可は必要になる。ここは非常に出やすいので確実に覚えること。 〈ポイント2〉許可が不要になる場合 3条では、相続・包括遺贈・法人の合併による取得は許可不要。ただし「特定遺贈」は許可が必要になる点に注意。遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」があり、相続人以外への特定遺贈は3条許可の対象になる。 4条では、2アール(200㎡)未満の農地を農業用施設(農作業場や農機具の倉庫など)に転用する場合は許可不要。試験では「4アール未満」など数字を変えたひっかけが出る。「2アール未満」という数字を正確に覚えておこう。 また、抵当権の設定は権利の「移転」ではないため、3条の許可は不要。ここも定番の出題ポイント。 〈ポイント3〉無許可の場合の効果 3条・5条の許可を受けずに行った売買契約は「無効」になる。所有権は移転しない。 4条に違反した場合は、都道府県知事から原状回復命令が出される可能性があり、罰則もある。 5条違反は最も重く、契約無効に加えて原状回復命令と罰則の両方が科される。
過去問ピックアップ
令和5年(2023年)本試験 問21 〈問題〉 農地に関する次の記述のうち、農地法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者が特定遺贈により農地を取得する場合は、同項の許可を受ける必要がある。 2 自己の所有する面積4アールの農地を農作物の育成又は養畜の事業のための農業用施設に転用する場合は、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。 3 法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。 4 社会福祉事業を行うことを目的として設立された法人(社会福祉法人)が、農地をその目的に係る業務の運営に必要な施設の用に供すると認められる場合、農地所有適格法人でなくても、農業委員会の許可を得て、農地の所有権を取得することができる。
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